ペパーミントという英語名でも親しまれているセイヨウハッカは、シソ科に属する多年草なのよ。
どんな植物かしら
科名 : シソ科 (Lamiaceae). ヨーロッパや中東が原産で、今では世界中のたくさんの地域に広がって、広く栽培されているわ。
使用部位 : 葉, 開花時の全草. 葉の収穫は、花が咲き始める頃、あるいは満開になる直前に行うのが一番いいわ。この時期に精油の香りが最も強くなるのよ。よく晴れて乾燥した日に、地面から2〜3 cmほどのところで刈り取るのがコツね。
ペパーミントは、お腹がいっぱいになった食後に昔からずっと親しまれてきた、とても爽やかな香りのするお馴染みの植物なの。わたしたちの暮らしでは、お腹をすっきりと落ち着かせ、心地よい爽快感を楽しむために、温かいハーブティーにして飲んできたのよ。本当にシンプルで、心安らぐ手当てだわね。
その歴史
ペパーミント(Mentha × piperita)は、英語ではPeppermintとも呼ばれる、シソ科の欠かせない草本植物なの。ウォーターミントとスペアミントが自然に出会って生まれた草で、ほかにはない香りとすがすがしさを、庭にも、カップのなかにも届けながら、時代をこえて受け継がれてきたのよ。
交雑と植物学のものがたり
ペパーミントは、ちょっと特別なミントでね。ウォーターミント(Mentha aquatica)と、スペアミント(Mentha spicata)が自然に交わって生まれた、六倍体と呼ばれる草なの。その栽培が本格的に広がりはじめたのは、十七世紀からのイギリスで、すぐれた持ち味が買われてのことだったわ。
近代的な命名法が始まったばかりの一七五三年、名高い博物学者リンネはMentha piperitaを、Mentha属の十種のなかのひとつの独立した種として認めたの。あのぴりっとした独特の風味に惹かれてね。植物学者たちは長いあいだ、湿ったところに自生していると考えていたけれど、のちに実らない雑種だとわかったのよ。
二十世紀には、科学の研究がこの交配を再現することに成功したの。何千もの株を観察して、精油の繊細さで知られる名高い品種『ミッチャム』にごく近いものを選び抜いたのよ。遺伝子の解析と、フラボノイドの研究によって、この美しい混じり合いの家系が決定的に裏づけられたわ。
ジョン・レイの庭から、昔の薬屋さんへ
古代バビロニア、エジプト、ギリシア・ローマの人々も、たくさんのミントの仲間を知り、使っていたの。ただ、昔の人たちは正確な植物分類よりも日々の使い方に心を寄せていたから、その記録からいまの種を言い当てるのは、ときどき難しいのよ。
ペパーミントの近代の歩みがはっきりするのは、十七世紀の終わりのイギリス。博物学者ジョン・レイが、一六九六年にハートフォードシャーでこの香り高い草の株を手に入れたの。その評判はまたたく間に国境をこえたわ。食事のあとをここちよく過ごせる草として昔から知られ、一七二一年には名高いLondon Pharmacopoeiaに、中世からの呼び名「Mentha piperitis sapore」として載ることになったのよ。
フランスでは、薬屋さんたちが「イギリスのミント」という名で温かく迎え入れたの。当時は、疲れた胃をいたわり、重たい感じをふっと軽くしてくれるものとしてすすめられていたわ。その同じ昔ながらの使い方を、代々受け継いで、わたしたちも今日、たっぷり食べたあとに温かいハーブティーを淹れて続けているのよ。
ほかにはない香りの豊かさ

ペパーミントを際立たせているのは、メントールのずば抜けた多さで、いとこたちよりずっと高いの。精油にはメントンや、やわらかさを与える酢酸メンチル、それにメントフランや1,8-シネオールも含まれているわ。揮発する精油のほかにも、乾かした草はロスマリン酸のような貴重なポリフェノールや、さまざまなフラボノイド(エリオシトリン、ヘスペリジン)を届けてくれるの。
この豊かさが、いろいろな場面で心強い相棒にしてくれるのよ。
- 料理とお菓子に:夏の飲みもの、フルーツサラダ、アイス、チョコレート、昔ながらの料理を、それはおいしく香らせてくれるわ。
- 家庭のハーブ仕事に:さっぱりした味わいと、おなかまわりのここちよさで親しまれてきたの。おなかが張って重たいときに、軽やかでいられるよう寄り添ってくれるわ。
- 庭で:チョコレートミント、レモンミント、ベルガモットミントみたいに、驚くような香りのすてきな品種を生み出してきたのよ。
「乾かしたペパーミントの葉をひとつまみ、湯気の立つお湯に十分ほど。夕食のあとに軽やかさを取り戻す、おばあちゃんたちのとても簡単な秘密よ。」
安全のためのひとこと:毎日たのしめる草だけれど、香りの草の使い方は、その人その人に合っていることが大切なの。迷ったとき、ここちよくない状態が続くとき、それに精油の形でお子さんや妊娠中の方に使うときは、必ずお医者さまか薬剤師さんに相談してね。
心地よさのひみつ
Mentha x piperitaの精油の主な成分は、メントール(7〜48%)、メントン(20〜46%)、酢酸メンチル(3〜10%)、メントフラン(1〜17%)、そして1,8-シネオール(3〜6%)よ。さらに、エリオシトリンやヘスペリジン、ケンフェロール 7-O-ルチノシドといったフラボノイドやテルペノイド、そしてロズマリン酸も含まれているの。
わたしが使う理由
- · 01ペパーミントは、ウォーターミントとスペアミントの自然交配によって生まれた多年草なのよ。
- · 02ペパーミントにはメントールが豊富に含まれていて、これが爽やかでピリッとした風味のもとになっているわ。
- · 03ペパーミントは17世紀以来、飲み物や菓子の香りづけとして古くから親しまれてきたの。
- · 04ペパーミントはシソ科の植物で、チョコレートミントなどたくさんの品種があるのよ。
わたしの淹れ方
おばあちゃんのちょっとしたレシピ
お腹がいっぱいになった後のハーブティー
お昼や夜のごちそうの後、お腹が少し重たいなと感じるときに
必要なもの
- 乾燥させたペパーミントの葉:ひとつまみ
- 沸騰直前のお湯:1カップ
- 森のはちみつ:小さじ1(甘めがお好みなら)
わたしの手順
- 01葉を痛めないように、お湯はグラグラ沸騰させず、一歩手前で火を止めてね。
- 02お気に入りのカップの底に、ペパーミントの葉をそっと入れるのよ。
- 03温かいお湯を注いだら、豊かな香りを閉じ込めるために、すぐに蓋をしてね。
- 04そのまま7〜10分、静かにハーブの恵みが溶け出すのを待ちましょう。
- 05葉をこして、お好みではちみつを添えたら、お腹をすっきりさせてくれる爽やかな風味を一口ずつゆっくり楽しんでね。
すっきり深呼吸するための温かいスチーム
一日の終わりに、鼻がムズムズしたり、なんとなくすっきりしないときに
必要なもの
- 乾燥させたペパーミントの葉:一掴み(お庭の新鮮な生葉3本でもいいわよ)
- 熱いお湯:大きめのボウル1杯分
- 清潔な大きめのバスタオル:1枚
わたしの手順
- 01熱に強い大きめのボウルの底に、ペパーミントの葉を入れるの。
- 02沸騰したお湯を葉に直接注いで、メントールの香りをふわっと立ち上がらせてね。
- 03ボウルの前に楽な姿勢で座り、頭からタオルをすっぽりかぶって、小さなテントを作るようにするのよ。
- 04目を閉じて、この爽やかで心地よい蒸気を5〜10分間、ゆっくりと深呼吸してね。
- 05心も体も軽くなるような、おばあちゃん直伝のシンプルな知恵よ。
夏の午後にきらめく、爽やかな冷たいお水
日差しが強くて、すっきりと喉を潤したい夏の日の午後に
必要なもの
- 新鮮なペパーミントの生葉:10枚ほど
- 冷たいお水:カラフェ1本分
- 国産レモンのスライス:数枚
わたしの手順
- 01摘みたてのミントの葉を、きれいなお水で優しく洗ってね。
- 02手のひらで軽くポンと叩いて香りを引き出してから、カラフェに入れるのがコツよ。
- 03レモンのスライスを加えて、上から冷たいお水を注ぎましょう。
- 04冷蔵庫で1時間ほど置いて、ミントの爽やかな風味をお水にじっくり移してね。
- 05グラスにたっぷり注いで、自然の恵みで喉を潤しながら、心地よい元気を取り戻してね。
ほかの地域での親しまれかた
そうそう、イタリアのフィレンツェの近くに住んでいる昔からの友人のマリアが、この前お便りをくれたのよ。あちらでも「Menta piperita」はとても愛されていて、自家製のシュガーシロップに生の葉を数枚忍ばせて、夏のフルーツサラダにかけるんですって。日差しが強くて喉がカラカラのときに、遊びに来たご近所さんへこの冷たいシロップでもてなすために、いつも冷蔵庫に常備しているそうよ。素敵なおもてなしね。
それからね、イギリスを旅した私の孫が教えてくれたの。あちらでは「Peppermint」と呼んで、ラム肉のローストには欠かせない相棒なんだそうよ。孫が泊まったお家の大家さんが、お酢と少しの砂糖、それに刻んだミントをたっぷり使った伝統的なソースを作ってくれたんですって。最初は不思議に思ったみたいだけど、お肉の後味をすっきりとさせてくれて、お腹にもとても優しいって喜んでいたわ。
わたしのやり方は、もっとずっとシンプルなのよ。庭から青々とした美しい葉を3、4枚摘んできて、指先で少しこすってあの爽やかで良い香りを引き出し、夕食の後に温かいティーポットに放り込むだけ。お布団に入る前に体をすっきりさせるには、やっぱり昔ながらのハーブティーが一番だわね。
事前に知っておきたいこと
この情報は医療従事者の助言の代わりにはならないのよ。 健康に関するご注意 →
植物のプロフィール
- 学名
- Mentha x piperita
- 科名
- シソ科 (Lamiaceae)
- 使用部位
- 葉, 開花時の全草
- 収穫
- 葉の収穫は、花が咲き始める頃、あるいは満開になる直前に行うのが一番いいわ。この時期に精油の香りが最も強くなるのよ。よく晴れて乾燥した日に、地面から2〜3 cmほどのところで刈り取るのがコツね。
- 形状
- 暮らしの中で使うときは、ハーブティーやインフュージョン(浸出液)、精油、チンキといった形で親しまれているわ。
- 原産地
- ヨーロッパや中東が原産で、今では世界中のたくさんの地域に広がって、広く栽培されているわ。
- 保存方法
- 乾燥させた葉は、光の当たらない場所で、密閉容器に入れて保管してね。ペパーミントの精油は、涼しく乾燥した場所に置いて、使った後はしっかりと蓋を閉めるか、冷蔵庫で保管するのがおすすめよ。
これだけは覚えておいてね
- 01ペパーミントは、ウォーターミントとスペアミントの自然交配によって生まれた多年草なのよ。
- 02ペパーミントにはメントールが豊富に含まれていて、これが爽やかでピリッとした風味のもとになっているわ。
- 03ペパーミントは17世紀以来、飲み物や菓子の香りづけとして古くから親しまれてきたの。
- 04ペパーミントはシソ科の植物で、チョコレートミントなどたくさんの品種があるのよ。
よくある質問
ペパーミントは、ごちそうを食べた後に、お腹をすっきりとさせて爽やかな心地よさを楽しむために昔から飲まれてきたの。みんなで食卓を囲んだ後に、お腹を心地よく整えるためのおばあちゃんの知恵袋のようなものね、本当に。
淹れ方はとても簡単よ。乾燥させた葉をひとつまみ、お湯を注いだカップに入れて、香りを逃さないように蓋をして10分ほど蒸らすだけ。温かいまま飲むのはもちろん、夏に冷やして飲むのも、喉の渇きを潤してくれて本当においしいわよ。
ペパーミントはとても心地よいハーブだけれど、その力は強いから、小さなお子さんや妊娠中・授乳中の方は控えてね。もし体に少しでも不安があったり、お薬を飲んでいたりする場合は、毎日の習慣にする前に、お医者さんや薬剤師さんに相談してみてね。
ペパーミントは、ウォーターミントとスペアミントが自然に出会って生まれた植物で、17世紀から栽培されているの。その力強く爽やかな香りは、昔の人たちも日々の暮らしを彩るためにとても大切にしていたのよ。
ペパーミントにはカフェインは含まれていないけれど、そのシャキッとした香りと爽快感で、頭がすっきり冴えてしまうことがあるかもしれないわ。もし気になるなら、夜遅くではなく、お昼ご飯の後や3時のおやつの時間に楽しむのがおすすめよ。







