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戸を開けてみて。ここに入るのは、おばあちゃんの家に上がるのと同じこと。ハーブティー、ちょっとした手当て、庭の草も、遠い土地の草もある。奇跡みたいなことは約束しない。昔からやってきたことを、いい材料でもっとよくしていくだけよ。

昔から伝わる手当ては、どの家にもあった。ただ、少しずつ忘れられて、混ざって、どう使えばいいのかわからなくなる。だからわたしは、それを一冊の手帖にまとめている。草のこと、ハーブティーのこと、毎日のちいさな不調にそえる手当てのこと。家族のレシピを渡すのと同じように。
それに、うちの庭の草だけの話ではない。ほんもののハーブ屋は、いつの時代も世界とやりとりしてきた。お茶、しょうが、遠い土地で何百年も飲まれてきた草。ほかの土地が育ててきたものを、わたしは大事にする。どこから来た草なのか、なぜそれを選んだのか、ちゃんと話すわね。
作り方はきちんとしている。きれいな作業場で、余計なものは入れない。できるかぎり有機のものを選ぶ。よくしてあげるとは言わないし、お医者さんの代わりにもならない。どれが気持ちをほぐして、どれが体をあたためて、どれが心地いいか、それを伝えるだけ。お医者さんに診てもらったほうがいいときは、それもはっきり言うわ。
有機は、見せびらかすための飾りではない。パン屋が小麦粉を使っておがくずを使わないのと同じ、ただの土台。遠い土地の草で、まだ納得のいく仕入れ先が見つからないときは、ごまかさずにそのまま話す。
専門用語も、むずかしい言葉もいらない。台所のテーブルで話すように書く。短い文、かんたんな手つき。読んでいてわからなくなったら、それは書き方が悪いということ。だから書きなおす。
よくしてあげるとは言わないし、急かして売りつけることもしない。何を作っているのか、どんなときに楽になるのか、いつお医者さんに行ったほうがいいのか。それを伝えるだけ。あとのことは、お医者さんとよく話してみて。
「夜にハーブティーを一杯、知っている草をひとつ。たいていは、それで足りるのよ。」
おばあちゃんのハーブ図鑑をめくってみて。ひとこと書いてくれてもいい。お便りが届いたら、きっとよろこぶわ。